2017年09月05日

『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

菅原敏 ・著/ 久保田沙耶・絵
『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』(東京新聞)


かのひと 超訳世界恋愛詩集 [ 菅原敏 ]


あなたの白い腕だけが
わたしのすべての地平線
  「地平線」ーマックス・ジャコブ


「どの時代、どの国に生きようと、恋すれば私たちは何ひとつ変わらない」

ゲーテ、シェイクスピア、李白、小野小町……。
いにしえの詩人たちが紡いだ愛の言葉は、私たちの心を捉え、そこには現代の眼差しが自然と重なります。

詩人たちの個性が際立つような菅原敏氏の超訳は圧巻という他ありません。
彼らの言葉、そして生き方に触れ続けている菅原氏だからこそ、息を吐くように、
このような詩を連ねることができるのかもしれません。

久保田沙耶氏の絵が彩りを添え、奥深さを与え、さらに素晴らしい詩集に仕上がっています。

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あまりにも美しい言葉の贈り物。
大切な“かのひと”にそっと、差し出してください。

cakesの連載では原文をお読みいただけます。
https://cakes.mu/series/3194


最後に、こちらを。

「 夜露のように消え失せろ」 在原業平

この世に 桜がなかったならば
春の心は おだやかで
かき乱されることはない
この世に おまえがいなければ
ひとりの夜さえ おだやかで
酒と歌とで 満ち足りた

俺はおまえを 盗み出した
背負って走る 真夜中に
草についた露を見て おまえは言った
「葉の先で光っている、これは真珠?」
あのときの夜露のように
ふたり 消えたら良かったのに

この月は あのときの月ではない
この春は あのときの春ではない
ただ俺だけが あのときのまま
取り残されて
夜露にふれる
ひとつぶ こぼれる


世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
白玉か何ぞと人の問いし時 露と答えて消えなましものを
月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身一つはもとの身にして

posted by ひるねこ at 19:17| Comment(0) | 紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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