2018年01月16日

『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』(WAVE出版)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

清水香那 文/‎稲岡亜里子 写真
『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』(WAVE出版)


クリスチャニア自由の国に生きるデンマークの奇跡 [ 清水香那 ]


「世界一幸福な国」と称されるデンマーク。
その中にある、“奇跡の国”クリスチャニアをご存知でしょうか。

70年代、ベトナム戦争や経済社会の闇に抗うように、多くの若者たちが反戦と平和を掲げて各地にコミュニティーを生み出しました。その多くが自然解散していく中、ここクリスチャニアは、今なおコペンハーゲンの地に存続しています。

ヒッピーたちが作り上げた自治区は、なぜ首都のど真ん中で50年近くも続いていられるのでしょうか?

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約1,000人が暮らすクリスチャニアには明確なリーダーがいません。全ては住民による話し合いで決定され、家の修繕やデンマーク政府との交渉、治安維持に至るまで、彼ら自身の手で行われます。

誰もが訪れる事ができる場所ですが、「これ以上建物を建てない」「人口を増やさない」ことで政府と合意しているため、新規に移り住むことはとても難しいのが実情。

また彼らには、

「暴力禁止」
「武器の持ち込み禁止」
「犬を鎖に繋ぐのは禁止」
「車の乗り入れ禁止」
「ハードドラック禁止」

などの決まりがあり、これらを守れない人はこの地を去らねばなりません。

そこには様々なルールやシステムに裏打ちされた、真の民主主義の姿があります。
世界でも類を見ないと言われる彼らの自由な暮らしには、成熟した生き方のヒントが散りばめられているように思います。美しい写真とともに、住民の暮らしやその環境に迫る本書は、私たちのハートに灯をともすでしょう。


愛と平和 LOVE&PEACE

人が聞けば笑うかもしれないこの言葉を、本気で実践している人々がいる。その事実にどれだけ救われることか。

posted by ひるねこ at 18:54| Comment(0) | 紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『かくれんぼ』(アリス館)

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

種村有希子『かくれんぼ』(アリス館)


かくれんぼ [ 種村有希子 ]

ミミちゃんはかくれんぼが嫌いです。なぜなら一人で隠れるのが怖いから。
クローゼットにいたところ、一緒に隠れていたすみれちゃんが見つかってしまってドキドキ。

キイイイと扉が開いて、そこに現れたのはなんとくま!
そう、ぬいぐるみたちもかくれんぼをしていたのです。

あちこちから顔をのぞかせる彼らは、ミミちゃんに上手な隠れかたを教えてくれます。
でも今度はなかなか見つけてもらえずに……。

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種村さんの描く子どもの表情が本当に好き。
胸がきゅーと切なくなるような心理描写も見事です。


実は今朝、開店一番で種村さんが立ち寄ってくださいました。
また追ってお知らせしますが、2月刊行の最新刊の原画展を開催します。
どうぞお楽しみに!


ちなみに店主は、かくれんぼをしていてオニが近づいてくると「ふふふ」と笑いだしてしまうような子どもでした。
posted by ひるねこ at 13:18| Comment(0) | 紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月15日

開店二周年を迎えて

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

1/11、当店は開店から二周年を迎えました。
たった2年とはいえ、ここまで続けてこられたのは
日頃から当店に関わってくださる皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。

昨年、一周年にあたってこのような文章を書きました。
http://hirunekodou.seesaa.net/article/445711999.html?1515747267

予想以上の反響がありましたが、この時に様々な方からかけていただいた言葉が自分の糧になり、力につながっていることは間違いありません。

ひるねこBOOKSは元々、3年を一つの目安に始めました。
長年の夢を叶えたわけではなく、「本に関わる仕事をする上で、本を売る場を作ることで視点を変えたい」「本屋を増やすきっかけにしたい」という切実な思いを持っての開店でしたから、それは現実的なものでした。そしてその経験・体験を持って、また出版社かどこかに戻って、これまでとは違った目をもって本に携わりたいと考えていました。以前までの自分がどのように変化するのか、それは期待と興奮が混ざり合うような、高揚した気分です。

正直な事を言えば、ほんの数ヶ月前までこの記事に書くことは決めていました。
それは「今の形での営業は、予定通り3年で終える予定。閉店するか、どなたかに引き継ぐか、それをあと半年で考えたい」ということ。

おかげさまで運営としてはまずまずの成果を出せているようにも感じますし、とても続けていけないという程に厳しいわけではありません。本屋の収入だけで家と店舗の両方の家賃を払う、というのが一つの目標であり理想でしたから、その点については予想していたよりも早くなんとか出来るようになったかなと思っています。

ただ現状はあくまでも「生きていける」という程度ですから(もちろんそれで充分とも言えますが)、例えば将来に向けての蓄えなど、何かプラスαの事をしたいと思った時にそれが適うかと言えばそんなことはありませんし、自分の何かを保証してくれる訳ではありません。もちろんこの先、さらに上向くだろうとは信じていますが、何かあっても安心という気持ちに達するまでにはまだまだ道が長そうです。

それに加え、自分がやりたいと思っている事が、今の店舗のキャパシティでは収まりきらないという現実にも直面しています。小さいからこその空気感を楽しんでいただいているのは充分すぎる程にわかっているのですが、他の本屋さんを訪れるとジリジリとした焦りと、ギリギリするような羨望の気持ちが胸の中で膨らみます。特に、新しくオープンしたお店の空間に圧倒されたことは1度や2度ではありません。もっと広ければあんなイベントや展示もできるのに。もっと棚があればこんな本も置けるのに。

どこかで仕事をしながら休日に開けるのか、誰かに後を任せるのか、潔く閉店するのか、移転して続けるのか……。そんな迷いがいつだって、頭の中も心の中も巡ります。


ただそんな悩みを抱えながらも、ここ数ヶ月の素晴らしい出会いや出来事が、下を向きそうな自分の背中を押し、「やれるだけやってみたい」という気持ちに引き上げてくれました。

今の気持ちとしては、3年に向けて収束、終息していくのではなく、ひとまずは現状のまま、そこまでを走り抜けたいという方向に変わっています。


「続けなければわからないことがある」とよく言われます。33年間を無為に過ごしてきたわけではありませんから、それについてはよくよく理解しているつもりです。ただ一方で、継続を前提としないからこそ出来ること、得られることもあると信じていて、どちらかといえば、それを求めてきた2年間でした。最初から長く続けるつもりなら、ついつい先々の事を考え、時には守りに入ってしまいます。それでは挑めなかったようなこと、成し得なかったことも多くあると思います。ですから、決して「続けるために続ける」ことのないように、それだけは当初から決めていました。

それが今、徐々に自分の気持ちが変わってきたのは、ただ単に「楽しく、幸せだと感じられることを続けたい」という理由からです。


これまでは常に、計画や目標を立てて、それに向かって歩むような生き方でした。それは勉強でも仕事でも、旅行などの趣味であっても同じこと。決めたことを一つずつ順番にこなしていくのが好きで、だからこそ、この店もある程度終着点を決めつつ、それまでに何が出来るかを考えていました。

「本屋を増やすきっかけになれば」というのは本心で、本や本屋に興味をもってもらうこと、そのためには自分が捨て駒になってもいいと思っていたし、今でもそう思います。とりあえず運営できるモデルだけ示すことが、たまたま挑戦できる環境にあった自分の役目だろうと。他の方が運営する本屋が増えれば、そこに自分は客として行ってみたい。


そんな自己犠牲とも言える精神よりも、まずは自分が楽しめることを大切にしたいという思いが強くなってきたのは一体なぜでしょうか。


もしかしたら甘えもあるのかもしれません。当然辛いことは多々ありますが、この場所を好いて通ってくださる皆さんに囲まれていれば、自然と居心地は良くなります。思いがけず根が生えて、腰が重たくなってしまったというのもあるでしょう。

ただ自分では、〈出来ることの大きさ〉が変わったのかなと考えています。1年前はどこかでやはり「自分のやっていることはあまりに小さい」と感じていました。本を売ったとしたとしても、それはいわゆる出版業界の数字からすれば微々たるものどころか、カウントすらされない。一体何をしているのだ。どれだけの意味があるのだ。そんなことを感じる日々でした。

それがこの1年間、様々な本を売り、展示やイベントを開催し、絵本の企画編集をし、ここから発信できるものは決してそう弱くはない、と感じられるようになってきました。

何か強烈に表現したいものがある訳ではなく、自分では書くことも描くこともできないけれど、表現したい人にとっての成果物を広めることができる。そしてその過程を手伝うことができる。

それが結果として、自分、そしてひるねこBOOKSにとっての「表明」につながれば。


世界情勢はますます混迷を深め、明るい兆しすら見えません。
国内に目を向けても、相変わらず腐敗した政治が行われています。


大きな力に押し流されないよう、自分や周りにいる人の笑顔を増やし、幸せにすること。ひるねこBOOKSを訪れてくださった方々が、少しだけ良い気分になって明日もまた頑張ろうと思える。そんな場所になることが出来れば、これほど嬉しいことはありません。
本当に些細ですが、それが今の自分に出来る事かなと感じます。そうすれば世界は少しずつでも良い方向に動く、そんな風に考えています。

宮沢賢治の文章にも生き方にも共感するところが多いですが、自分は「個人が幸福にならないうちは世界がぜんたい幸福になることはあり得ない」と思っています。


未来がどうなるか、わかりません。
でもとにかく、今を積み重ねないことには何も生まれませんし、その先に見えてくるものを大事にしたいと感じています。きっとそれは、自分の生涯にわたる財産になると同時に、この世界にとって少しだけ意味のあるものになるはずだから。

2018年のテーマは「信じる」です。
好きなものを好きと言いたいし、好きと言ってくれる人を信じて進もうと思います。

できるだけの愛をお返しすること。

3年目もどうぞよろしくお願いいたします。


ひるねこBOOKS
小張隆

https://www.hirunekobooks.com/


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posted by ひるねこ at 21:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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