2018年06月18日

『好きになった人』(ちくま文庫)

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梯久美子『好きになった人』(ちくま文庫)


好きになった人 (ちくま文庫) [ 梯 久美子 ]

石内都、栗林中将、楳図かずお、島尾ミホなど、様々な時代の人々の生と言葉。
その証を刻み付けるように、どこまでも駆け回り、筆を起こす。

その情熱と柔らかな着眼点に、ノンフィクション作家の真髄を見た。

吉本隆明、東君平の猫エピソードがいつまでも胸に残る。
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2018年06月17日

『話しベタですが…』(河出書房新社)

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『話しベタですが…』(河出書房新社)


話しベタですが… 暮らしの文藝 [ 高倉 健 ]

他人に声をかけられない、タメ口が上手く使えない、なぜか店員から気づかれない。

どんな相手とも歩調をあわせて話がしたいけれど、人付き合いはなかなかに難しい。

小川未明、高倉健、辛酸なめ子、太宰治、温又柔、町田康、最果タヒ、穂村弘……。

あの人もあの作家も、実はこんなに悩んでいた。

「黙っていろと言われたら、いつまででも黙っていられるし、それはちっとも苦痛ではない。一人で本を読んだり、音楽を聴いたり、外を走ったり、猫と遊んだりしていると、すぐに一週間くらいたってしまう。」(村上春樹)

わかりみがすごい。

「あがり」の処方箋や、雑談かるた、話し下手におすすめのペットも。
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2018年06月15日

『優雅な読書が最高の復讐である』(DU BOOKS)

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山崎まどか『優雅な読書が最高の復讐である』(DU BOOKS)


優雅な読書が最高の復讐である [ 山崎まどか ]


「本屋で発見したものは、何でも宝物だった。どこかに私が読むべき本が隠れていると思うと、街は輝いて見える。」

村上春樹、モンゴメリ、獅子文六、ポール・オールスター、本谷有希子、オルハン・パムク、森見登美彦……。

コラムニスト・山崎まどかの書評エッセイ集は、愛おしい物語が並ぶ標本箱のようだ。

かつての『ブックイン・ピンク』(2004年、晶文社)が彼女にとって20代の集大成ならば、本書は30代〜40代の集大成である。


14年という月日は、本や読書を取り巻く環境を大きく変えた。ネット書店の台頭、町の書店の減少、スマホや電子書籍、出版流通の変化、図書館を巡る諸問題。社会のスピード化、効率化は進み、情報は溢れる。読書のように時間のかかる能動的な楽しみは、どうやら一部の人のものになってしまいつつある。役に立つか?費用対効果は?

でも、と思う。

一見何の役に立たないものだって、いやだからこそ、それを楽しむゆとりがあっていいじゃないか。そんな贅沢を、優雅さを、思いきり満喫したい。役に立とうが立つまいが、そんなのは知ったこっちゃない。


「復讐」って、何に対する復讐なのだろう?

「家でじっとしていてもコンテンツや情報が次から次へとやってくる、今の世の中は便利で素晴らしい。でも、家畜のように閉じ込められて、ホースで餌を流し込まれているような気持ちになることもある。そんな時、本を読むと、世間の流れから外れて自由になった気がする。牧舎の柵を壊し、勝手に野原をうろつき回って、草をはんでいる動物のような心地。それは読書でしか味わえない。」

自分勝手にうろつき回れること。
自分だけの楽しみを、言葉の世界を、心の中に持っていられること。

暗く閉塞した世の中でも、それだけは譲れない。
嘘や隠し事に塗れた社会でも、自分の気持ちは誤魔化さない。
リベンジはこれからだ。
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