メアリー・ビアード 著、宮ア真紀 訳
『舌を抜かれる女たち』(晶文社)

舌を抜かれる女たち [ メアリー・ビアード ]
歴史上、女性たちは公の場で語ることを封じられ、発言力のある女性は忌み嫌われてきた。
黙らせ、その言葉を軽んじ、男性が作り上げた社会、権力から切り離す。
「何を言ったか」ではなく、単純に「女性が発言した」ことに対して嫌がらせをする。
“ミソジニー”は、古代ギリシア・ローマの時代から、脈々と受け継がれてきた。
それは現代の西欧世界、そしてもちろん日本にも当たり前に存在している。
何も女性を特別扱いするのではなく、ただ同じ土俵が用意されるだけ。
制限を設けず、自由に競い、協力し、共に生きるだけ。
そんなシンプルなことが、なぜ出来ないのだろうか。
恥ずべき社会構造のせいで、一体どれだけの女性たちが、その能力を発揮することが叶わなかったのだろう。
口を噤むのは、もう終わりだ。