高山英男、吉村生
『暗渠パラダイス!』(朝日新聞出版)

暗渠パラダイス! [ 高山英男、吉村生 ]
暗渠、それは「かつて川だった場所」。
蓋をされ見えなくなってしまった空間には、流れに沿うように、確かに人々の生活があった。
その佇まいや時間の移ろい、場所と場所のつながり。
それらを眺めるのはなんと愉しいことだろう。
そこにあった人々の営みに想いを馳せ、その声や匂い、音を想像してみる。
すると、いつもの見慣れた町が、別の光景をもって現れてくるはずだ。
今は決して見えないものを見ようとして、頭の中に新しい地図を作り出す。
誰かと誰かの記憶を交差させ、流れを生み出す。
これほど日々を豊かにしてくれる“装置”があるだろうか。
暗渠とは、もしかすると私たちの人生に似ている何かなのかもしれない。行き着くところはパラダイスか、それとも……?
そしてあらゆることが覆い隠される現代において、「あったはずのもの」を発見し、その姿に近づいていく試みには、一種の爽快感さえ感じさせる。
暗渠、恐るべし。
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「第1回ニャン渠サミット」を開催した聖地としては、「猫と暗渠」の関係がどうしても気になります。
そして暗渠界では有名な、近所のあの道も登場。
*本書を当店でお買い求めの方には、特製しおりを差し上げます。数に限りがございますので、お早めにどうぞ。
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