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あぶみ あさき
『北欧の幸せな社会のつくり方』(かもがわ出版)
北欧の幸せな社会のつくり方 10代からの政治と選挙 [ あぶみ あさき ]北欧各国の選挙は、まるでお祭りのようだ。
候補者がコーヒー片手に市民と語り合うのは普通のこと(コーヒーさえ用意できない政党は「勝つ気がない」と言われるほど)。
「有権者」ではない小さな子どもも、はたまた他党の支持者であっても、皆ごく自然に選挙スタンドに立ち寄り、おしゃべりをしたり、お茶を飲んでいく。
カラフルな選挙グッズが配られるかと思えば、スタッフは皆にこにこと笑顔で、市長は気さくにチェスをする。
大学キャンパスの選挙活動も盛り上がり、投票所となる学校にはカフェが開かれる。
日本とはまるで違う風景は、どのようにして生まれるのだろう。
社会科の授業では活発に議論が交わされ、中高生は当たり前のように
「民主主義」という言葉を使う。
学習の一環で選挙スタンドをまわる小学生たちが、党員に対してする質問で一番多いのは、「あなたの政党は、難民のために何をするのか?」だそうだ。
「政治」や「政治家」といった存在が、私たちには考えられないほど身近なところにある北欧各国。
もちろん北欧が完璧な訳ではないし、制度や規制の違う日本が全てを真似するのも違う。
ただそれでも羨ましいと思ってしまうのは、
「自分の一票が確かに社会を変える」という意識を多くの国民が持っていることだ。
だからこそ当然のこととして若者がデモを行い、声を上げる。
それが未来へ繋がると信じているからだ。
「世界幸福度ランキング」で常に上位を占める北欧勢。
それは自分たちの力で社会を作り上げていること、その実感があるからに他ならない。
ひとりひとりが社会を動かす。
それこそ本当の民主主義だ。
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