梨木香歩
『ほんとうのリーダーのみつけかた』(岩波書店)

ほんとうのリーダーのみつけかた [ 梨木 香歩 ]
同調圧力、群れ、言葉の形骸化、「日本すごい」、批判精神。
一時間足らずで読めてしまえるこの小さな本に、著者の大きな覚悟を感じる。
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大きな容量のある言葉を大した覚悟もないときに使うと、マイナスの威力を発揮します。「今までに例のない」「いまだかつてない」「不退転の(決意で)」などなど、実際はそれほどのことでもないのに大袈裟な言葉を使うと、実態との間に隙間ができるのです。そこにヒューヒュー風が吹き荒んで、虚しさを掻き立てる。言葉が、張子の虎のように内実のないものになってしまう。
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本書のメイン部分は、2015年に書店で行われた、若い人向けのトークセッションが元になっている。
だが、状況はその時よりもますます悪くなった。
世界中がまさに未曾有の事態に直面している今、本当の言葉を語れるリーダーが、残念ながら日本には見当たらない。
そう、確かにこの本は、今読まれねばならなかったのだ。
これからの社会を作っていく若者はもちろん、この社会を今変えるべき大人たちに。
君たちはどう生きるか。
僕は、そして僕たちはどう生きるか。
息苦しさが増すこの時代、あなたが耳を傾けるべき存在は、決してどこかを探せば見つかる訳ではない。もっと身近なところにいる。
「チーム・自分」。
これほど心強いものは無い。
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