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内田樹 編
『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』(晶文社)
ポストコロナ期を生きるきみたちへ (犀の教室) [ 内田樹編 ]たった一つのウイルスが、これまでの“常識”を大きく変え、その誤りを人間に突きつけた。
「金さえ出せば何でも買える」グローバル資本主義において、時にはマスクさえ買えないこと。
医療や教育などを「商品」として扱ってはならないこと。
現代社会が抱えている根本的な矛盾が、今回のパンデミックによってたまたま露呈しに過ぎない。
私たちの世界はその「外装」を剥ぎ取られ、なんともみすぼらしい社会の骨組みと諸々の欠陥が明らかになった。
私たちは今、この矛盾に満ちた世界をどうするかの分岐点にいる。
まず「こんな社会」を作ってきてしまったこと、変えられなかったことを、若い人たちに謝らなければならない。そして伝えるべきことを伝え、その声に耳を傾け、力を貸さなければならない。
「歴史的転換点」以後を生きる中高生たちに向けて、5つの世代の20名の識者が伝える「生き延びるための知恵」の数々。
「これから」へのメッセージ。
https://hiruneko.thebase.in/items/35982851-
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【目次】
まえがき 内田樹
■1 Letters from around 30
ポストコロナにやってくるのは気候危機 斎藤幸平
楽しい生活──僕らのVita Activa 青木真兵
これからの反乱ライフ えらいてんちょう
■2 Letters from over 40
君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること 後藤正文
技術と社会──考えるきっかけとしての新型コロナ危機 白井聡
「タテ、ヨコ、算数」の世界の見方 岩田健太郎
支援の現場から考える、コロナ後の世界 雨宮処凛
「大学の学び」とは何か──「人生すべてがコンテンツ」を越えて 増田聡
■3 Letters from over 50
コロナで明らかになった日本の最も弱い部分──対話・エンパシー・HOME 平田オリザ
コロナ禍と人間──私たちはどう生きるのか 想田和弘
台風とコロナ・パンデミックは同じか? 俞炳匡
図太く、しぶとく、生きてゆけ──誰も正解を知らない問題にどう答えを出すか 山崎雅弘
■4 Letters from over 60
医療が無料であること 三砂ちづる
人生100年時代、ポストコロナはダブルメジャーで 仲野徹
メメント・モリ──思いがけない出会いに開かれているために 中田考
ディレンマの知性 釈徹宗
■5 Letters from over 70
ポストコロナ期における雇用について 内田樹
自分に固有の問題を考えること 池田清彦
コロナと価値のものさし 平川克美
マスクについて 鷲田清一