2016年02月23日

老人と猫

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

『老人と猫』(エクスナレッジ)


老人と猫

著者のニルス・ウッデンベリ氏はスウェーデン人。
大学で医療心理学を教え、生命観の研究に従事しています。
本書はそんな著者が「どんなふうに猫にぞっこんになっていったか」
を描いた物語です。

教授という地位を得て、物書きでもある主人公の「私」。
そこに新たに「猫の飼い主」という肩書が加わった、
そんな書き出しから物語は始まります。

ある日ブラインドを上げてみると、門の上に1匹のネコがいて
大きな黄色い目でこちらをじっと見つめています。
そしてその次の日からネコは毎日姿を見せるようになり、
どうやら小さな物置小屋に住みついているらしいことを知ります。

「あの猫が早く私たちに見切りをつけてくれればいいが」
そう思いながら、2週間ほど家を空けて帰ってくると、
やはりそこには猫の姿が。

夫婦ともに猫は嫌いではない。だが趣味は旅行。
ペットを飼うなんて柄ではないし、現実的に無理……。

最初はそんな風に考え、できるだけ関わらないように振る舞います。
あくまで「寒いしお腹も減ってそうだから、仕方なく面倒を見ている」という風に。
ですが、ネコはその魅力を使って、少しずつ少しずつ家に入り込みます。

そしてついに「猫はどこにいる?」が夫婦の口癖となり、
日常の一部となったネコは「うちのキティ」と名前をもらいます。

仕方なく(?)飼い始めたキティですが、姿が見えないだけで不安になったり、
反応が気になってしまったり、だんだんとその存在が大きくなります。
やがては、キティのおかげで規則正しい生活が送れるようになったり。
それはまるで恋をしているかのよう!

ネコを飼った経験のある人には、とてもよくわかる心情かもしれません。


本書の面白いところは、ただの愛猫記ではなく、
心理学の教授がネコの不思議な世界を読み解こうとするところにあります。
「キティに感謝の気持ちはあるのか?」
「キティは私のことを信頼してくれているのか?」
このあたりはぜひ本書をお読みください。

そして物語は、ネコと人間の歴史、名だたる文学者のネコに関する逸話や研究、
スウェーデンにおける野良猫対策などへと広がっていきます。
人と動物とのかかわりについて深く考えさせられます。

ネコだけでなく、いろいろなペットを飼っている方、そして飼おうとしている方に
ぜひ読んでいただきたい一冊です。


posted by ひるねこ at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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