東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。
青柳拓次・作/北川佳奈・絵
『かがり火』(mille books)
舞台は沖縄。
村でただひとりの女漁師の「おばあ」は最後の漁を終えた日、
長年ともにしたボロボロの木舟を浜辺で燃やします。
それは美しいかがり火となって奇跡をもたらし、そしておばあは遠い海の向こうへ旅立っていきます。
おばあの旅立ちがテーマですが、ここに描かれているのは「死」ではなく「生」だと感じました。
沖縄には「水平線の向こうに〈ニライカナイ〉という別の世界が存在する」という信仰があります。
現世での生と、ニライカナイでの生。
おばあの生命の永遠のつながりと煌めきを感じさせてくれます。
沖縄在住の音楽家、青柳拓次(リトルクリーチャーズ)の歌うような文章、
今作が絵本デビュー作となる画家・北川佳奈の優しくも力強い絵。
鮮やかに描かれた沖縄の空や海、木々や花、鳥たちの絵には、
瞬きするのが惜しいほどの圧倒的な力があります。
8月に北川佳奈さんのトークイベントと原画展を行う予定です。
どうぞお楽しみに!
2016年05月26日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック
