今日8/27は宮沢賢治の誕生日。
1896年生まれなので今年は生誕120周年です。
一番好きな作家のうちの一人ということもあり、当店には賢治の作品や関連書なども揃っております。
独創的なストーリーや個性的な登場人物たちの魅力はもちろんのこと、
その根底にある賢治の思想や哲学のようなものにも共感するところが多いです。
偕成社の《日本の童話名作選》から2冊。
『猫の事務所』

猫の事務所 [ 宮沢賢治 ]
猫の歴史と地理を調べる事務所には、事務長と四匹の書記がいました。そのうちの一匹が“かま猫”です。からだが煤で汚れているかま猫は仲間の嫌われ者。いじわるされてばかりいます。風邪をひいて一日休んでしまうと、もう自分の仕事はなくなっていました。かま猫は悲しみと悔しさでしくしく泣き続けます。何か言いたくても、もう声も出せないのでした。その時、急に獅子が現れて……。
『どんぐりと山猫』

どんぐりと山猫 [ 宮沢賢治 ]
一郎の家に、山ねこからハガキが届きました。〈あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい〉一郎は嬉しくなって、山ねこのもとに向かいます。そこには何百という数のどんぐりがいました。彼らは体の大きさや頭のかたちなどで、誰が一番偉いのかを争っています。山ねこはその裁判に困っていたのでした。そこで一郎が授けた知恵は……。
この2つはまったく違うお話ですが、本来はみなが平等であること、争いの愚かしさやむなしさ、
という点で共通するものがあるように感じます。
猫のお話を取り上げましたが、皆さんの好きな作品はなんでしょう?
賢治の物語は誰のこころにも届きます。
それはきっと、全てのいきものに対する愛がそこにあるからです。