森まゆみ『暗い時代の人々』(亜紀書房)

暗い時代の人々 [ 森 まゆみ ]
1930年から45年、満州事変勃発から太平洋戦争終結に至る15年間。
その「暗い時代」に、精神の自由を掲げて戦った9人の物語。
彼らが点したのは、「ちらちらゆれる、かすかな光」。
間違いなく翳に覆われつつある今の時代において、本書はその小さな光です。
それを消さないように、大きくするように、本を売っていきたいと思います。
あとがきに引用されているのは、ドイツのルター派牧師・マルティン・ニーメラーの言葉。
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ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから
そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった
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「再び同じ道に迷い込まないように、わたしはあの大正デモクラシーから昭和の戦前・戦中をぶれなく生き抜いた人々について書いてみたいと思った。」