ふるたたるひ、たばたせいいち 作『おしいれのぼうけん』(童心社)。

1974年の刊行から40年以上にわたって読み継がれるロングセラー絵本であり、
累計発行部数が200万部を超える、日本を代表する絵本の一つです。
1984年生まれの店主ですが、この絵本を読んだ記憶は強烈なものとして残っており、その頃に読んだ本は今でも実家の本棚に差さっています。また、開店前に勤めていた童心社ではこの本の営業担当をしていたこともあり、大変思い入れの深い作品です。
今回、様々な場づくりを手がけ、数々の読書会も主宰されている舟之川聖子さんからお声掛けいただき、当店で『おしいれのぼうけん』読書会を開催することになりました。
この絵本が大好きという方はもちろん、実はまだ読んだことがないという方まで、どなたでも歓迎です。皆様のご参加をお待ちしております。
〜舟之川さんより〜
子どものわたしにとっておしいれは、親に叱られたときに自主的に入って、一時退避する場所だったため、「おしいれのぼうけん」に出てくるおしいれのことは、冒険の舞台というよりも、暗く孤独に閉じ込められる場所、恐ろしい存在に追われる世界のような印象を持っていました。
しかし息子が小学2年生のとき、夏休みの読書感想文で課題本に選んだことをきっかけに、あらためて読み返してみて、「こんな話だったのか!」と心が震えました。理不尽な大人、世界に対して「嫌だ」と宣言する子どもの姿。理不尽さと闘いながらも根絶すべき悪とは描いていない…。
絵の豊富な本にもかかわらず、絵のテイストだけに引きずられてはおらず、かつての自分の中で立ち上げたビジュアルイメージが全く鮮度を失っていないことにも驚きます。
保育園の描写など、現代のものから比べるとまるで別物なのですが、この絵本が発刊された1974年当時の社会情勢、子どもたちをとりまく環境や状況はどのようなものだったのか。この43年の間、版を重ねる中で、この本をめぐってどのようなことがあったのか。童心社でこの本の営業を担当されていた、今はひるねこBOOKSの店主、小張隆さんにその辺りのことをお聞きしてみたい、しかもそれをこの本に特別な思いを寄せる方々と一緒に聞いてみたいと思いました。さらに、皆さんにとっての「特別な思い」を交換し、大人になって再会してみての発見を聞きあえる時間が作れたらと思い、今回の場を企画しました。
子どもの頃にしてもらったように、読み聞かせをしてもらいながら、ゆっくりと本の世界に入っていきますので、事前に読んでこられなくても、大丈夫です。
●日時:2018年1月26日(金)18:00 〜 20:30(開場17:50予定)
●場所:ひるねこBOOKS 〈台東区谷中2-1-14-101〉
●定員:6名
●参加費:300円+1ドリンク500円
※参加をご希望の方は、下記メールアドレスまで、
〈お名前、ご連絡先(TEL、メール)、参加人数〉をご連絡ください。
⇒hirunekobooks@gmail.com
件名「1/26 おしいれ読書会参加希望」
*今回のイベントは大人向けです。恐れ入りますが、お子様連れでのご参加はご遠慮ください。
☆ファシリテーター:舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)
人びとが集い、ある時間をともに過ごし、自由な感想を聴き合う、結論不要の場づくりを探究している。場づくり人材育成会社にて、ファシリテーター育成やワークショップ・デザイン、コミュニティ運営のプログラム企画や講座に携わった後、本・映画・展覧会・舞台などの鑑賞後に感想の時間を設ける「あーだこーだの会」を中心に活動。「ブッククラブ白山夜(はくさんよる)」、「ブックトークカフェ〜武蔵小杉の読書会」、「読書会のつくり方講座」「かるたCafe〜百人一首を楽しむ大人の部活」など、数々のワークショップやコミュニティを主宰。小学校で読み聞かせのボランティアもしている。
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp/
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