●『宮沢賢治の地学教室』
柴山元彦・著(創元社)

宮沢賢治の地学教室 [ 柴山 元彦 ]
“文系のための地学の本”と聞いては読まないわけにはいきません。
1限目の〈宇宙のしくみ〉から、〈岩石と鉱物〉〈地球の歴史〉など、賢治の作品を辿りながら学んでいきます。
宇宙の話や地球の成り立ち、気象についてなど、なんとなく苦手意識を持ってしまいがちな人でも大丈夫(店主がまさにそうです)。
専門的な内容ですが、図版も多用され、とてもわかりやすく解説されています。
それはまるで賢治がそばに立ってその知識を伝えてくれているかのよう。
作品を読みながら目を閉じた時、そこに浮かぶ景色がより一層輝きそうです。
●『チェコの十二ヵ月ー おとぎの国に暮す ー』
出久根育・著(理論社)

チェコの十二ヵ月 おとぎの国に暮らす [ 出久根育 ]
チェコと言えば真っ先に思い浮かぶ、可愛らしい雑貨や絵本、アニメーション。
そんな“おとぎの国”にも、当然ながら人々の暮らしがあります。
2002年から彼の地に住む画家が綴り、描くイラストエッセイ集は、全ページが自分の栄養になるよう。
復活祭、謝肉祭などのキリスト教にまつわる行事の他、古くからの風習、伝統など、細かで温かな描写に時を忘れます。
クリスマスに至る前の場面が、心に火を灯しました。