マティン・ドラーニ、リズ・カローガー 著
吉田三知世 訳
『動物たちのすごいワザを物理で解く』

動物たちのすごいワザを物理で解く 花の電場をとらえるハチから、しっぽが秘密兵器のリスまで [ マティン・ドラーニ ]
航空会社も注目するシャコ、生物版GPSを使うカメ、重力に逆らうネコ……。
最先端の科学技術を追い求める人間たちですが、その物理を先に使い始め、ものにしているのは人間よりも動物の方。彼らは長い時間をかけた結果、もっとも効率的な方法で自然に適応し、子孫を残し、進化します。
科学者たちが「電気とは何か」を理解するずっと前から、電気ウナギは高圧電流を使っていました。
冒頭の「メスのフリをして熱を奪うヘビ」に驚愕し、濡れた身体をブルブル揺さぶるイヌの、エネルギー効率に唸ります。
熱、力、流体、音など、テーマごとに分けられた動物たちの奥深い営み。
読めば読むほど、この世の不思議に出会うようで面白く、感動さえ生みます。
自然や動物には敵わないことが多いですが、文字を読んで新たな知識を得るというのは人間だけに許された行為。
知的好奇心を満たす、最良の書と言えます。
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発行:インターシフト
ISBN:978-4-7726-9559-6
本体2,300円+税