『戦争なんか大きらい! 絵描きたちのメッセージ』
子どもの本・九条の会 (大月書店)

“平和”という言葉は抽象的でイメージしづらく、だからこそ具体的なアクションが難しいのだ、という論があります。
だからこそ統一的なイメージを作る必要があるのだと。
それは確かにその通りで、戦争という言葉がもたらす強烈なイメージを前に、私たちは何かを失いたくないという受け身、恐怖から行動を起こさざるを得ません。
そうではなく、もっと積極的に、能動的に、平和をイメージすることはできないでしょうか。
大切な存在、町の風景、憧れの人、贔屓のチーム、将来び夢や宝物、思い出。
私の、私たちの大好きなものが、ただそこにある。
それってとても尊いことだと思うのです。
この本に登場するのは、日本を代表する絵本作家たち。
彼らの描く絵、そしてここに添えられた日本の憲法の条文には、確かに平和の姿があります。
今という時代を平和と感じるか、そうではないと捉えるかは人それぞれですが、
少なくともこれらのメッセージを守ることが、即ち平和を守り、繋ぎ、築くことであるのは間違いないでしょう。
各作家による巻末の言葉も本当に真っ直ぐ。
それは真摯で公正で、迷いなど一切ありません。
戦争も改憲も絶対に反対です。