佐野洋子 著『こどもの季節 恋愛論序説』(河出書房新社)

こどもの季節 恋愛論序説 [ 佐野 洋子 ]
〈けんちゃんは「ようこちゃんはつよいもの」といいます。わたしは、はずかしいきもちになります。〉
小さな花をむしって遊んでいた幼い時から大人になるまで、佐野洋子が気づかぬうちにしていた「愛する」ということ。
初めてのお別れ、故郷の年上のお兄さん、変わり者の男の子。
その目に、彼らはどう映っていたのだろうか。
「ロケットが月に着陸したのをテレビで見た時、ああ男って閑なんだなあ、というのが私の感想でした。」
こう語った佐野洋子の、若き日の恋。