今野 真二
『日日是日本語』(岩波書店)

日日是日本語 日本語学者の日本語日記 [ 今野 真二 ]
「日本語学者の日記」、と書くとお堅く思えるが、なかなかどうして、これが絶妙に面白い。
筆者は『日本国語大辞典』第二版全13巻を読むという無謀な試みの結果、
「自身が知らない日本語はいくらでもある」
「自身が読んだことがない文献はいくらでもある」
とわかったことから、いま出会っている日本語に丁寧に接しようと決めた。
そうすると、自然と気になることが増えてきた。
電車内で見たマンションの広告コピーが気になる。
アナウンサーの大げさな話し方が気になる。
「侍ジャパン」「さくらジャパン」というネーミングが気になる。
羽生棋士と羽生選手の姓の読みが気になる。
日本最大級の辞書を全巻読破しても満足せず、古書店の出品リストを嬉々として眺め、新聞を読んでもテレビを観ても、日本語のことをひたすら考える。
そんな日々を記録した、「日本語いちゃもん日記」。
普段なにげなく使っている言葉にも、深い意味と奥行きがある。
目からウロコの連続。