2017年12月10日

新刊『世界はまるい』『鏡の国のアリス』『増補 書店不屈宣言』

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

●ガートルード・スタイン 文/クレメント・ハード 絵‎ /マーガレット・ワイズ・ブラウン 編集
『世界はまるい』(アノニマ・スタジオ)


世界はまるい [ ガートルード・スタイン ]

ちいさな女の子ローズと旅する物語。
〈もし名前がローズじゃなかったら、わたしはローズだったかな、もしわたしがふたごだったら、いまとおんなじローズだったかな。〉
言葉の連なりを追っていけば、世界をどこまでも歩いていけそう。
ピンクとブルーの美しさ。
大切な人への贈り物にぴったり。


●ルイス・キャロル 著/佐々木マキ 絵/‎高山宏 訳
『鏡の国のアリス』(亜紀書房)


鏡の国のアリス [ ルイス・キャロル ]

〈そのことだけはまちがいありませんでした。白い仔猫にはなんの関係もなかったのです−−全部黒い仔猫のやったいたずらでした。〉
高山宏の新訳。佐々木マキによる80点の描き下ろしイラスト(しかもオール2色刷り)。
なんとも贅沢な装いで生まれ変わったアリスをぜひ。


●田口久美子 著
『増補 書店不屈宣言』(ちくま文庫)


増補 書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない (ちくま文庫) [ 田口 久美子 ]

40年以上現場に立ち続ける著者。
文庫化までの期間にも業界には大きな変化があった。
「来し方」は変えられない。では「行く末」は?
〈このように楽しげに売っている「モノ」が、巷間言われるように、そんなに簡単に亡びるのだろうか?〉
へこたれてはいられない。
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2017年12月08日

『早稲田文学増刊 女性号』

東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。

9月の刊行直後に完売し、長らく品切れとなっていた『早稲田文学増刊 女性号』(筑摩書房)、ついに重版分が入荷しました!

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大型書店で見かけても、絶対に自分の店で手に取るのだと言い聞かせて2ヶ月以上。
ようやくこの日が訪れました。


小説、詩、短歌、エッセイ、対談……。

古今東西82名の女性たちによる文章は、「女性」と「書く」ことについての関係性、その熱量や切実さ、現実や辛苦を私たちに提示します。

掲載されているのは、今村夏子、津村記久子、藤野可織、松田青子、村田沙耶香、樋口一葉、石垣りん、伊藤比呂美、茨木のり子、銀色夏生、最果タヒ、蜂飼耳、文月悠光、松井啓子、多和田葉子などなど。

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女性たちの言葉が詰まったこの本はなんと軽やかで、そしてまた重たいのでしょうか。

「電話帳のよう」と形容されていますが、ここに連なる言葉は現在だけでなく過去にも未来にも繋がります。

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あえて「女性」を切り口にするという挑戦。
でもこれは決して女性のためだけの読み物ではありません。

我々全てが体内に取り込み、何度も何度も咀嚼し、
自らの生きる糧とすべき一冊です。

社会を変えるかもしれない、本当にそう思います。


長いですが、責任編集の川上未映子さんによる巻頭言を抜粋します。

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 数年前、ある女性作家と話していたときのこと。

「いつだったか、どこかの文芸誌が女性特集みたいなことをやって、書き手を全員女性にしたんですよね。でもわたしあのとき、古いなあって白けちゃって。今さらフェミって感じでもないしなあって思ってしまった」。

 わたしはその文芸誌の存在を知りませんでしたが、女性が女性について語ったり書いたり、読んだりするそんな特集があるなら読んでみたいと思いました。毎月、無数に刊行されているなかでそんな雑誌があって当然だし、論壇誌や思想誌では逆のことが当たりまえに起きているのに、なぜそれが女性になると特殊な出来事のように思われるのだろう。他愛のない会話の中の彼女の何気ない発言をわたしはその後、折にふれ思いだすことになりました。とくに脈絡もなく、ふとしたときに頭をよぎるのです。

 今回、早稲田文学の外部編集委員になり、責任編集というかたちで特集を組むにあたって、わたしはすぐに「古くて白けて今さらフェミ」と件の彼女が感じたような特集をぜひやってみたいと思いました。

(中略)

「どうせそんなものだろう」、そう言ってあなたに蓋をしようとする人たちに、そして「まだそんなことを言っているのか」と笑いながら、あなたから背を向ける人たちに、どうか「これは一度きりのわたしの人生の、ほんとうの問題なのだ」と表明する勇気を。それが本当のところはいったいなんであるのかがついぞわからない仕組みになっている一度きりの「生」や「死」とおなじように、まだ誰にも知られていない「女性」があるはず。まだ語られていない「女性」があるはず。そして、言葉や物語が掬ってこなかった/こられなかった、声を発することもできずに生きている/生きてきた「女性」がいる。そしてそれらは同時に、「語られることのなかった、女性以外のものやできごと」を照らします。

 そこで本当は何が起きているの。

 あなたは、どこからきて、どこへいくの。

 ねえ、いまあなたは、なんて言ったの?


 いつもあまりに多くのことを見過ごして、そしてまちがってしまうわたしたちは、まだ何にも知らない。わたしたちは知りたい。わたしたちは書きたい。わたしたちは読みたい、目のまえにひろがっているこれらのすべてがいったいなんであるのかを、胸にこみあげてくるこれがなんであるのかを、そしてそれらを書いたり読んだりするこれらが、いったいなんであるのかを、知りたい──その欲望と努力の別名が、文学だと思うのです。


                                  川上未映子
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出版社:筑摩書房
ISBN:978-4480993120
本体2,200円+税

http://hiruneko.thebase.in/items/9215572
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【満員御礼】大人のための『おしいれのぼうけん』読書会

*定員に達したため、お申し込みを締め切りました。
お申し込みありがとうございました。



ふるたたるひ、たばたせいいち 作『おしいれのぼうけん』(童心社)。

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1974年の刊行から40年以上にわたって読み継がれるロングセラー絵本であり、
累計発行部数が200万部を超える、日本を代表する絵本の一つです。

1984年生まれの店主ですが、この絵本を読んだ記憶は強烈なものとして残っており、その頃に読んだ本は今でも実家の本棚に差さっています。また、開店前に勤めていた童心社ではこの本の営業担当をしていたこともあり、大変思い入れの深い作品です。

今回、様々な場づくりを手がけ、数々の読書会も主宰されている舟之川聖子さんからお声掛けいただき、当店で『おしいれのぼうけん』読書会を開催することになりました。

この絵本が大好きという方はもちろん、実はまだ読んだことがないという方まで、どなたでも歓迎です。皆様のご参加をお待ちしております。


〜舟之川さんより〜

子どものわたしにとっておしいれは、親に叱られたときに自主的に入って、一時退避する場所だったため、「おしいれのぼうけん」に出てくるおしいれのことは、冒険の舞台というよりも、暗く孤独に閉じ込められる場所、恐ろしい存在に追われる世界のような印象を持っていました。

しかし息子が小学2年生のとき、夏休みの読書感想文で課題本に選んだことをきっかけに、あらためて読み返してみて、「こんな話だったのか!」と心が震えました。理不尽な大人、世界に対して「嫌だ」と宣言する子どもの姿。理不尽さと闘いながらも根絶すべき悪とは描いていない…。

絵の豊富な本にもかかわらず、絵のテイストだけに引きずられてはおらず、かつての自分の中で立ち上げたビジュアルイメージが全く鮮度を失っていないことにも驚きます。

保育園の描写など、現代のものから比べるとまるで別物なのですが、この絵本が発刊された1974年当時の社会情勢、子どもたちをとりまく環境や状況はどのようなものだったのか。この43年の間、版を重ねる中で、この本をめぐってどのようなことがあったのか。童心社でこの本の営業を担当されていた、今はひるねこBOOKSの店主、小張隆さんにその辺りのことをお聞きしてみたい、しかもそれをこの本に特別な思いを寄せる方々と一緒に聞いてみたいと思いました。さらに、皆さんにとっての「特別な思い」を交換し、大人になって再会してみての発見を聞きあえる時間が作れたらと思い、今回の場を企画しました。

子どもの頃にしてもらったように、読み聞かせをしてもらいながら、ゆっくりと本の世界に入っていきますので、事前に読んでこられなくても、大丈夫です。



●日時:2018年1月26日(金)18:00 〜 20:30(開場17:50予定)

●場所:ひるねこBOOKS 〈台東区谷中2-1-14-101〉

●定員:6名

●参加費:300円+1ドリンク500円

※参加をご希望の方は、下記メールアドレスまで、
〈お名前、ご連絡先(TEL、メール)、参加人数〉をご連絡ください。

hirunekobooks@gmail.com 

件名「1/26 おしいれ読書会参加希望」

*今回のイベントは大人向けです。恐れ入りますが、お子様連れでのご参加はご遠慮ください。


☆ファシリテーター:舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)

人びとが集い、ある時間をともに過ごし、自由な感想を聴き合う、結論不要の場づくりを探究している。場づくり人材育成会社にて、ファシリテーター育成やワークショップ・デザイン、コミュニティ運営のプログラム企画や講座に携わった後、本・映画・展覧会・舞台などの鑑賞後に感想の時間を設ける「あーだこーだの会」を中心に活動。「ブッククラブ白山夜(はくさんよる)」、「ブックトークカフェ〜武蔵小杉の読書会」、「読書会のつくり方講座」「かるたCafe〜百人一首を楽しむ大人の部活」など、数々のワークショップやコミュニティを主宰。小学校で読み聞かせのボランティアもしている。

blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp/
twiter: @Uyography


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