『いつまでも大切なもの』(猫の言葉社)
いつまでも大切なもの
フィンランド文化に特化した出版社、「猫の言葉社」の絵本です。
いま『フィンランド語は猫の言葉』という本を読んでいるのですが、
その著者である稲垣美晴さんが設立したのが、猫の言葉社です。
本書の訳も手掛けています。
始めはそのことを知らずに読んでいたので偶然の一致に驚きましたが、
きっと「フィンランド」「猫」というフレーズに引き寄せられたんですね。
以下の3つのお話が入っています。
「ぬいぐるみの涙」
「青い天国へ行った猫」
「すてられた洗濯機」
それぞれ使われなくなったり、老いたり、古くなったりして、
役目を終えようとするものたちの物語です。
読み始めると悲しく切なくなるのですが、やがて新しい居場所が見つかり、
新たな場所での役割が始まる、そんな希望に満ちたお話です。
題名が示す通り、「いつまでも大切なもの」が身近にあるということを
静かに、そして強く感じさせてくれます。
著者のヘルヤ・リウッコ=スンドストロムはフィンランド人。
セラミック・アーティストであり、あの「Arabia」でデザイナーを務めます。
本書もそうですが、陶板を挿絵とする絵本を製作しています。
だからでしょうか、他の絵本の絵とは少し異なる、
深みのある、優しい雰囲気が醸し出されています。
フィンランドのほとんどの家庭には、何かしらの作品があるそう。
家に置いて、じっくり味わいたい一冊です。


