土井善晴『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)
一汁一菜でよいという提案 [ 土井善晴 ]
長年にわたって家庭料理とその在り方を研究してきた著者による、
シンプルな料理のすすめと、食べ方そして生き方の指南。
「ご飯に味噌汁、漬け物は毎日食べても飽きない」
そう言われてみれば確かに。これにはハッとしました。
それは人間が意図してつけた味ではない、自然物だからだそう。
食べてすぐ「おいしい!」と感じられるものは大体人工的な味付けで、毎日食べ続けることはできません。
・脳が喜ぶおいしさと、身体全体が喜ぶおいしさは違う
・「普通に美味しい」のは正しい
・手間をかけることは、必ずしもおいしさにつながらない
など、力強い言葉にただ圧倒され、頷くばかり。
私たちは食べることが本来もつ意味から離れて、「地味な料理ではダメ」「ひと手間かけることがエライ」「素敵な写真をSNSにアップしなくちゃ」など、誤解や思い込みによって動かされてはいないでしょうか。
食や食事を取り巻く環境を大転換する希望に満ちた名著。
これは本当に良い本と出合えました。
〈一汁一菜というのは、ただの和食献立のすすめではありません。一汁一菜という「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だと思います。〉
料理や食に関わる仕事に就いている方はもちろん、
日々食べて生きている私たち全員が手に取るべき素晴らしい一冊。


