牧野伊三夫『かぼちゃを塩で煮る』(幻冬舎)
かぼちゃを塩で煮る [ 牧野伊三夫 ]
このタイトルと、表紙のかぼちゃの絵。
もうそれだけで身体中が痺れます。
今すぐ塩で煮たかぼちゃを口いっぱいに頬張りたい!
文字を追っていくだけで、口の中がなんというか、ほこほこして唾でいっぱいになるのです。
綴られた文章が立体的なかたちとなって脳や口をビリビリと刺激してくれます。
そっと添えられたイラストも味があって良い。
決して大げさに飾り立てるのではなく、自分が美味いと思ったものをその通りに書く。
美味いものへの純粋な思いが、読み手にストレートに伝わってきます。
思えば古い料理書はとてもシンプルに文章だけで構成されていたりします。
手順解説の写真が無くても、いや無いからこそレシピに忠実につくって、そのままの味が出せる。
あるいは逆に想像力をかき立てられ、作り手それぞれの美味さが出たのではないでしょうか。
写真の通りにただ作るよりも、その方がずっと「食」に向き合っている気がしますね。
“食いしん坊”画家、美食探求の記。
レシピ集ではありませんが、料理したくなること間違いなしです。


