東京・谷中の本屋ひるねこBOOKSです。
当店は昨日7/11、開店から2年半となりました。
そんな中途半端な時になぜ記事を?と思われるかもしれませんが、
この日をどんな気持ちで迎えるかは実はとても重要だったのです。
これまで再々書いてきている通り、オープンした段階では「とりあえず3年」というのが目標であり、計画でした。
二周年の際(http://hirunekodou.seesaa.net/article/456227078.html?1531372560)に書いた通り、とりあえず丸3年まで走り抜けてからその先を考えたい、というのが正直な気持ちですが、現実的に言えばそれを本当に判断するのは半年前、つまり7/11だろうと思っていました。
それは例えば自分の就職であり、また例えば、この店を他の方に任せるのであればその準備期間に充てたいと考えていたからです。
ただ結論から言うと、できる限り自分でここを続ける、という方向に舵を切りました。
「本屋専業でも食っていける」ことを証明したい、というのが大きなモチベーションの一つでした。
もちろん本だけを売っている訳ではないですし、どこまでを「本屋」という範疇に含むかは人それぞれだと思いますが、少なくとも店を借りて家賃を払い、定休日以外は毎日営業し、そこで生まれた利益で生活をする、というのが自分が考える本屋像です。
副業として営業する人がいてもいいですし、どこかのお店に間借りして「本屋」をやる人がいてもいいですが、これだけ店舗としての「本屋」が減っている中、そのオーソドックスな形で生きるためには何をしなければならないのか、最終的にはそこと向き合わざるを得ないだろうとずっと感じていました。
幸いにして、2年目の途中からなんとか「食う」ことはできているのかなというのが現状認識です。
もちろん生活に余裕などありませんし、日々の売り上げに一喜一憂しているのは開店当初と何も変わりません。
ただ、大きなモチベーションであったことをギリギリでも達成してしまった時、次に何を目指そうか、というのがこの半年あまり考えてきたことです。
正直に言えば、今ここで辞めてしまっても特に悔いは残らないくらいに達成感はあります。
いつも通ってくださるお客様、出版社や取引先の皆さん、次々に素晴らしい本を出してくださる書き手の皆さんやそこに関わる方々、展示などでお世話になっている作家さん達のおかげで、始める前までは想像もできなかったほど刺激的で楽しい毎日を送ってきました。
だから、繰り返しになりますが、今辞めても後悔はありません。
会社員として安定した収入を得ながら、ひとまず経済的な心配はせずに趣味として読書を楽しむのもいいな、というのは偽らざる思いです。
これだけ「独立系」と言われる書店が増えてきた訳ですし、読書人口が多くならない限りは遅かれ早かれパイの奪い合いになるでしょう。
ならば自分は身を引いて、本当に一生かけて本屋をやっていきたい人を優先したい、というのも自然な気持ちです。
ただ、面倒くさいことに、自分は生来の負けず嫌いなのです。
早めに自分の目標をクリアしたのだから「負け」てはいないですし、むしろ勝ったのですが、「だったらもっとできるんじゃないか」と思えてきてしまったのです。
だから、続けます。
悶々と考え続けてきた「もっと広ければ」「もう少し環境がよければ」という悩みにもそろそろ決着をつけます。
人が通らないのなら来てもらえばいいのだ、と〈キッテ通り〉の活動にも積極的に取り組んできましたし、その成果は出始めているように思います。
SNSや口コミ、そして展示やイベントを通じて、この間にもたくさんの方に当店のことを知っていただきました。
ただ自分が描いている理想の空間というのは、もっともっと先にあって、それを見てみたいという気持ちも抑えられません。
なので2019年は、移転も含めて、続けることを最大の目標にして進みたいと思います。
「とりあえず3年で」と言い続けていたので、来年以降どれだけの人が付いて来てくれるかわかりません。
きっと辞めるんだろうと思っていた皆さん、申し訳ありません。
続けることにしました。
「お店を使う人にとっては、形はどうであれ継続することが1番のサービス」
という言葉をどこかで見ました。
もちろんそれも頭にありますが、誰かのためではなく、自分のために続けてみたい、というのが本心に近いかもしれません。
様々な意味でのリスクは伴いますが、気力と体力、そして経済力の続く限り、ひるねこBOOKSを残したいと思います。
どうか力を貸してください。
そして最後にもう一つ。
この何とも形容のしようがないほど悪辣な政治に対して、本屋として闘いたい。
批判することを巧妙に避けながら生き続ける道もあるでしょうが、それでは自分が許せない。
何のために本を売っているのか。
それは暮らしを守るためです。
言葉と自由と権利を守るためです。
自分の原点は確かにそこだということ。忘れないように。
そして願わくば、本に関わる多くの人が同じ気持ちでいてくれますように。
個人の本屋なんて、微力どころか非力も非力です。
吹けばあっという間に飛びます。いつでも踏み潰せます。
でも、それでも、これだけは言いたい。
本屋を舐めるな、と。
2018年07月12日


突然のコメント、すみません。
わたしも小さな小さな児童書専門店に関わっているものです。
本屋をやっていくのは本当に大変です。
今の日本の本流通の仕組みでは本当に至難の技だと思います。
古くからの書店さん、チェーンの看板店舗さんでさえ、消えていき、その度に胸がきゅーーっと締め付けられる思いで、ドキドキと怖くなります。
なので、続けていかれるとのご決断、とても頼もしく、嬉しく思い、力をいただき、思わずコメントさせていただきました(^-^)
ひるねこbooks さん、お名前は以前から存じ上げ、絵本友達も遊びに行った話も聞いております。
いつか遊びに行きたいです。
やめないでくださいね。
わたしは1スタッフですが、、複数で共同経営しています。
よかったら、、HP見ていただけたら嬉しいです。
小林志麻
http://tomodachi.d.dooo.jp/
こんにちは。
もちろん貴店のことは存じ上げております。
なかなか伺う機会がなく申し訳ありません。
本屋不遇の時代ですが、やりようによってはまだ何とかなると感じますし、やはり失ってはならないものだろうと思っています。
ぜひ一緒に頑張ってまいりましょう。
いつかお話できる日を楽しみにしております。
ひるねこBOOKS
小張隆
心強い言葉に元気をいただきました。
頑張っていきましょう!
涼しくなったら遊びに伺います(^-^)
ともだち書店 小林志麻